紅葉国都市船・宇宙開発研究施設群
■作成者
神室@紅葉国
■提出書式
大部品: 紅葉国都市船・宇宙開発研究施設群 RD:41 評価値:9
-部品: 紅葉国都市船・宇宙開発研究施設群の設置の目的
-部品: 施設の十分な設置面積の確保(紅葉国)
-部品: 国立研究開発法人による運営
-部品: 研究開発における法の遵守と安全性の確保
-大部品: ステラ・マリス・プロジェクト RD:11 評価値:5
--部品: ステラ・マリス・プロジェクトの経緯
--部品: プロジェクトの位置づけ・動機・目的・方法の説明
--部品: 紅葉国の宇宙への移住目標の理由
--大部品: ステラ・マリス・プロジェクトによる育成産業の具体的内容 RD:8 評価値:5
---部品: 宇宙のための技術開発の必要性と内容
---部品: 宇宙ならではの観光の企画提案
---部品: 船体構造の改善研究
---部品: 材料工学の推進
---部品: 推進機構の開発
---部品: 総合的なシステム的安全性確保の研究
---部品: 閉鎖系循環システムの構築研究
---部品: 紅葉国におけるTLO技術との付き合い方
-大部品: 都市船の離水改造計画 RD:26 評価値:8
--部品: 紅葉国の宇宙方面への長期展望
--部品: 都市船の離水改造の検討事項とコンセプト
--部品: 都市船の宇宙対応技術開発の進め方
--部品: 宇宙空間での都市船での拡張性の確保
--部品: 海中都市船との差異:天板機能の封印とそれによる利点
--部品: 都市船大気圏離脱システム
--大部品: 都市船内大型重力制御システム RD:3 評価値:2
---部品: 紅葉国の現状と大型重力制御システムの開発経緯
---部品: 都市船最下層一層全部を用いた重力発生装置と小型化の禁止
---部品: 重力制御装置故障時の安全性対応
--大部品: 宇宙での生活上の工夫 RD:4 評価値:3
---部品: 地上生活と宇宙生活の違いの考慮
---部品: 宇宙環境での身近な工夫
---部品: 交通手段の固定装置
---部品: 艦内情報の連絡の徹底
--大部品: 都市船外部装甲の宇宙対応 RD:4 評価値:3
---部品: 都市船装甲の既存機能からの継承
---部品: 宇宙線対応
---部品: 大気圏突破対応
---部品: 予備装甲の配置
--大部品: 都市船の宇宙用追加機能 RD:6 評価値:4
---部品: 都市船スラスターユニット
---部品: 航宙デフレクターシールド
---部品: 前部装甲艦橋ユニット
---部品: 宇宙港ポートシステム対応
---部品: インパルスドライブエンジン開発
---部品: 宇宙遮蔽装置技術研究開発
--部品: 宇宙用整備マニュアルと装備の整備
--部品: 都市船の離水改造に伴う記録化と今後の展望
--部品: 離水改造計画についての当事者達のお話:当たり前のように悩んだり苦しんだりしながら対応しよう(SS)
部品: 紅葉国都市船・宇宙開発研究施設群の設置の目的
ステラ・マリス・プロジェクトおよび都市船の離水改造と宇宙移住に関する、技術開発と開発技術試験の場として設置された。
警備と安全対策がなされた国の管理区画に配置される。
部品: 施設の十分な設置面積の確保(紅葉国)
研究開発において、技術を開発する研究棟やそれを実証する実験棟、全体の行動や業務形態を管理する管理棟など様々な必要施設がある。
紅葉国の場合、都市船のマスターシップのうち研究用として広範囲フロア、またはスレーブシップ1隻がそのまま割り当てられる。
規模によって拡張される。
部品: 国立研究開発法人による運営
国立研究開発法人とは
「公共上の事務等のうち、その特性に照らし、一定の自主性及び自律性を発揮しつつ、
中長期的な視点に立って執行することが求められる科学技術に関する試験、研究又は開発に係るものを主要な業務として
国が中長期的な期間について定める業務運営に関する目標を達成するための計画に基づき行うことにより、
我が国における科学技術の水準の向上を通じた国民経済の健全な発展その他の公益に資するため研究開発の最大限の成果を確保することを目的とする独立行政法人
(独立行政法人通則法第二条第三項より抜粋)」の事を言う。
国が関与しつつ、民間と協力しての研究開発を行う。
部品: 研究開発における法の遵守と安全性の確保
研究開発においては、各藩国で設定されている法の安全基準や監査を満たし、
なおかつ事故が発生した際の対応のマニュアル化と国の承認を受けた上で実施されるとする。
部品: ステラ・マリス・プロジェクトの経緯
「宇宙いいじゃない」との紅葉ルウシィ藩王の一言から始まった。
22800102に共和国内の各国での産業育成プロジェクトが発足した。
藩国での検討結果、紅葉国は長期的に宇宙開発に向けて舵を取ることになった。
紅葉国長期宇宙産業開発育成計画=ステラ・マリス・プロジェクトと言う。
『ステラ・マリス』とはラテン語で「海の星」を意味し、
船乗りが嵐に遭い航路が分からなくなった時、常に北を指す星を目印に航海したことから「北極星」の事も意味する。
つまり、厳しい状況の中、国が船である紅葉国の行末を示したものである。
部品: プロジェクトの位置づけ・動機・目的・方法の説明
紅葉国の国家プロジェクトとして扱う。
動機:紅葉国のさらなる発展を目指して、宇宙進出を行う
目的:宇宙進出するために必要な技術の開発。宇宙の観光資源化。
方法:宇宙産業育成。そのための研究開発
部品: 紅葉国の宇宙への移住目標の理由
何故宇宙へ移民するのかと、実はあまり理由はない。
元々海の一族であったがために、旅を続けること、航海をするという事が、生活の一環となっているというのが本質的には正しい。
彼らは旅をするのに理由がいらないのである。
部品: 宇宙のための技術開発の必要性と内容
紅葉国は水中の都市船で暮らしてきた。
水中と宇宙は似た環境では有るが、宇宙用の動力や宇宙線への対応、重力装置の扱いや周囲が緊急時の対応などの宇宙特有の課題があるため技術開発研究が必要とされた。
完全閉鎖系循環システムに関しては、海中生活である程度下地が出来ているものの、水や空気を外部から取り入れられない宇宙では更に考慮する必要があるとされた。
部品: 宇宙ならではの観光の企画提案
なんかもの凄そうな宇宙ならではの観光の企画を官民問わず広く募集する。
360度回れる水族館とか 無重力公園とか体感型立体シアター等が例に出される。
もちろん宇宙ならではの賭博でもいい。なんか派手でうけそうな物を募集する。
部品: 船体構造の改善研究
宇宙では海中や地上とはまた異なった船体構造を検討する必要がある。
紅葉国でこれまで設計、運用されてきた物は主に海中での使用に耐えることが条件だった。
そのため海中であれば深海でも対応可能だが、一方でその技術がそのまま宇宙で利用出来るかは不明である。
一部は使えても、一部は使えないかもしれない。使えないとしたら、どのように対応するか。
都市船の離水改造、新型藩国船の建造含め、宇宙に対応した船体構造の研究と開発は必須の項目である。
部品: 材料工学の推進
宇宙環境での生活ともなれば宇宙線などへの対策も考える必要が出てくる。
一般的な宇宙船では金属や複合材料の船殻が使われていたり、それらの構造材で宇宙線を防いだりといろいろな工夫がなされている。
そこで、都市船や新型藩国船を宇宙対応させるための装甲や先に提案した船体構造の最適化と連携した材料の提案・開発が必要となってくる。
部品: 推進機構の開発
移動できないと困る。
実際の所、宇宙進出を果たした後、さらなる開拓を目指して各方面に旅立つ可能性も充分にある。
であればこそ、藩国船や宇宙対応した都市船の推進機構の開発は必須項目となる。
部品: 総合的なシステム的安全性確保の研究
様々な技術を安全に運用するため、技術倫理面からの精査を行う。
これは膜による赤い海の事件やクローンの事件の例からもわかるように、
高度な技術・研究に取り組む上では避けては通れない面である。
特に紅葉国は今後藩国船などにも取り組む準備があることから、
技術の危険性を熟知し、その適切な運用方法を理解し、知識を広め、
努力をもって安全をこの手にしなくてはならない。
そこでハザード分析などの問題解析のメソッド等、リスクアセスメントの面からアプローチするシステム安全の研究を促進し、
実際にこれから進む研究と並行してその安全性、運用による危険性を研究していく。
部品: 閉鎖系循環システムの構築研究
海中とは違い、宇宙では水や空気、資源を外部から取り入れられないため、内部資源の再利用が求められる。
また、廃棄物に関しても少なくし、コロニーとしての負荷を減らす必要がある。
都市船内部での生物鉱山合わせて環境を保持しつつ、海底都市から続く技術を更に発展させ、不純物の減少や、廃棄物の利用可能化項目の増加に努める。
ただし、これは国民生活を妨げない範囲とする。
部品: 紅葉国におけるTLO技術との付き合い方
NWではこれまでにも技術に関する様々なトラブルが見られてきた。
その内、TLOとは「×下手な事をすれば爆発する」「○上手にやらないと爆発する」を意味すると位置づけている。
NWの技術水準は平均して高く、下手をしないという事よりも一歩踏み込んだ取り組みが求められているのが現状である。
それは、よくわからないものは封印するのではなくよくわからないものであること、触れたら危険であること、そもそも触れない方がいいことという事を検討した上で
つきあい方を考えるという方向へと進んだ。
宇宙環境に適用するための船体構造の研究や材料工学の推進といった
「開発上必要な事」の他にも、システム安全工学からのアプローチで高い技術・新技術を使う上での慎重な向き合い方を常に念頭に入れる形になった。
部品: 紅葉国の宇宙方面への長期展望
都市船の離水改造を行う事は別にダイスで決めたわけでも藩王の気まぐれというわけでもない。
宇宙怪獣が来ているからと言う理由は少しはあったが、元を正せば紅葉国の長期展望の一環だった。
紅葉国の長期展望。宇宙での藩国船建造と移民である。
部品: 都市船の離水改造の検討事項とコンセプト
都市船の離水改造に伴う検討事項は、船体構造の精査や推進機構の開発といった開発方面の取り組みだけではすまなかった。
そもそもにして、離水改造自体、宇宙進出を見据えてのものである。
となれば、宇宙環境における生活や非常事態への対応といった事も考慮する必要がある。
開発のコンセプトは安全性。
生活に関わるため、原則すでにある程度安全性が保証されている枯れた技術を利用しようという方向性だった。
部品: 都市船の宇宙対応技術開発の進め方
都市船の宇宙対応技術開発はステラ・マリス・プロジェクトにそって進められ、また継続される。
既存技術の発展によりブラックボックス化を防ぎ、更にシステム安全工学からのアプローチも含めて進められる。
部品: 宇宙空間での都市船での拡張性の確保
紅葉国は海底都市移住以降、人口の高密度化に悩まされてきた。
都市船はこの問題をスレーブシップを用いることで解決した。
無論、このスレーブシップ。離水改造された都市船にも付随している。
都市船時点で用いられていた居住型・環境型・生産開発型・研究型の4種なのは変わらない。
しかしながら、宇宙に出るにあたり多くのマイナーチェンジが与えられている。
開発者曰く、都市船と同様の重力制御装置・宇宙線対策・大型ソーラーパネル+太陽帆の付与…
その過程で大きさも数割増になってしまっているが、宇宙で製造するため問題ないとされた。
部品: 海中都市船との差異:天板機能の封印とそれによる利点
都市船において内部の透過天板は開くようになっていたが、これはスッパリと機能を封印する事とする。
開かなくした分、宇宙線対策や天板の精度を高める。
また、可動制御部にさらなる生命維持装置を増設することとした。
部品: 都市船大気圏離脱システム
「全長が1.4倍、全高が1.3倍になってるんだが、大丈夫か?」
「大丈夫だ、問題ない」
~とある海底研究都市での会話~
大気圏突破用の前部装甲艦橋ユニットを取り付ける事により、
都市船をリフティングボディになるように整形する。これにて"揚力"が。
更に後部ユニットの増設及び海底研究都市での効率化したエンジンを用いた
大出力のブースターユニットを4基増設する。これにて"推進力"が。
"揚力"と"推進力"による『力業』。TLOを使わない飛行方法を目指した結果がこれである。
部品: 紅葉国の現状と大型重力制御システムの開発経緯
紅葉国の都市船は海中での運用が主とされている。
そのため深海にも負けない装甲や高度な循環系を保有し、閉鎖空間での生活という意味では、
海が宇宙に変わってもそのまま運用できる部分は多々あった。
ただし、そのままでは不都合な点も複数在る。
例えば重力である。長らく1G環境下で暮らしてきた紅葉国民が、これからいきなり宇宙環境に適応するというのは難しい。
都市船内部に建造した施設も、多くが1G環境で運用することが前提とされているものであり、
無重力下では無数の問題が発生すると考えられる。
このため、重力発生装置を建造することがまず必要とされた。
部品: 都市船最下層一層全部を用いた重力発生装置と小型化の禁止
重力発生装置は下手に小型化をすればTLOになるなどの危険性を含んでいる。
しかし今回の場合、都市船という巨大なシステムに付与することが決定されているため、
I=Dなどで必要とするような極度に小型化したものや、複雑な出力制御は必要としていない。
そのため必要な機能のままに大型化し、小型化を禁止し、都市船の下部に新しいブロックをつけて、
最下層一層をまるまる重力発生装置とする事で規模の問題は解決することになった。
部品: 重力制御装置故障時の安全性対応
絶対に壊れないシステムを作ろうというのは工学的なアプローチとは言えないと早期から結論が出ている。
システム安全の面から考えても、システムとは堅牢性を重視する一方で、
壊れた時に安全側に壊れるよう=被害を局限できるようにするよう設計することが大事だと言われている。
そこでシステムはあらかじめ設計者が意図したように停止するような仕組みとし、
都市船と同じく定期的なメンテナンス、非常時にはなるべく簡易に修理を行える前提での設計を行う事となった。
部品: 地上生活と宇宙生活の違いの考慮
地上では星の生み出す重力環境下で生活してきたが
今後は非常時には止まるかもしれない重力発生装置がその肩代わりをすることになる。
それはつまり、非常時=無重力状態となった時の対応を日頃から考えた町作り・日用品作りを行うということである。
部品: 宇宙環境での身近な工夫
生活の身近なところでも多数の工夫をする事になった。
手すりの増設や、冷蔵庫等の家電製品用の突っ張り棒、固定用のマグネットなどがたくさん作られた。
道路と靴にも電磁石が導入された。
高い所でもめくれないスカートを開発しようとした猛者もいたらしいが、理論上不可能という事から「残念だったな」と書かれたスパッツが作られたという話もある。
部品: 交通手段の固定装置
鉄道等をモノレール式に修正して車両を路線上に固定する仕組みや、
駐車場における車両の固定装置など、交通システムにおいて浮遊しないように対策が取られている。
部品: 艦内情報の連絡の徹底
都市船内で何か異常事態が発生した場合には、艦内のいたるところに配備してあるスピーカーから逐一情報が流されるとする。
一次情報を性格に把握することで、次に何をすればよいか国民は考える余裕ができる。
部品: 都市船装甲の既存機能からの継承
深海では基本的に『圧壊しないこと』『浸水しないこと』が重要なポイントだった都市船の構造だった。
浸水しないことは空気の流出を防ぐ事と言い換えると、宇宙環境でも同じ事が言える。
また圧壊しないこと=耐圧性能の高さは、結果として装甲の高強度を生んだが、勿論宇宙環境でも同様に必要となる。
スペースデブリは当然ながら、安全性の面から考えても外からつついて簡単に壊れるような物は生活環境にはしない。
部品: 宇宙線対応
地球環境で生活する場合は気にしなくてもいい事だが、宇宙環境では放射線などの影響がある。
そこで装甲には宇宙線対策を講じる必要があり、専用の装甲材の開発のためにステラ・マリス・プロジェクトで材料工学・建造工学分野が推進されてきた。
装甲内部に空洞を作り、放射線を反射や吸収するような構造と材料を組み合わせる等、推進された技術結果を用いて実現を行う。
部品: 大気圏突破対応
ステラ・マリス・プロジェクトで材料工学・建造工学分野が推進されて来ており、
その結果からの大気圏突入時には前部増加装甲ユニットを用いることにより実現を行う。
形を整えることにより浮力を得て、熱や気圧変化による変形に対して柔軟性を持つユニットを作成する。
部品: 予備装甲の配置
急な破損に対しては隔壁などで一時対応を行うが、そのまま外壁に穴が空いたまま航行することは出来ない。
各所に予備装甲を用意しておき、破損した場合にはその装甲をあてがい、固定し隙間を埋めることで気密性の確保の応急措置を行う。
部品: 都市船スラスターユニット
「スラスターユニット」を本体両サイドを取り付ける。
文字通り、左右上下への方向転換を司る。
定位置にデブリ用の防空迎撃システムおよび航宙デフレクターシールドが付随しており、
管制塔の指示により細かなデブリを除去する事が出来る。
部品: 航宙デフレクターシールド
宇宙の塵などから船体を守るために利用されることを想定とした小型シールド発生装置。
艦の前方に重力子フィールドを発生させることにより、デブリの進路を変更させ船体への衝突を防ぐ事を想定している。
部品: 前部装甲艦橋ユニット
大気圏突破のために装甲が分厚くなっているが、それだけではない。
宇宙専用のパッシヴ・アクティブセンサーや太陽帆、大規模デブリ破砕用パルスレーザー等様々な物を搭載している。
また、下部にドックモジュールを搭載。宇宙船舶はもちろん、資材があればスレーブシップや更に大きい艦船等を建造できる設備や工具、展開ユニットを用意してある。
部品: 宇宙港ポートシステム対応
都市船はもともと潜水艦に対応するために三次元的な港を保持しているが、区画の気密操作については万全ではなかったため、これに対応した。
それぞれドッキングシステムとして、人と物に対して安全な移動経路を確保する。
部品: インパルスドライブエンジン開発
重水素を用いた核融合エネルギーにより、高エネルギープラズマを噴射することで推進力を得るエンジンの研究を行っている。
加速光速以下で安定航行出来るものを想定し開発する。
部品: 宇宙遮蔽装置技術研究開発
ステルス技術の一種で、光学的電子的なセンサーに有効。
船体の周りに重力場を発生させて空間を歪めて、光や電磁波などを透過させるという技術を研究している。
ただし、エネルギー消費が激しく、内部からも観測不可や物理的干渉不可になる事が判明している。
部品: 宇宙用整備マニュアルと装備の整備
都市船は、日頃からのメンテナンスを前提とした設計がされている。
このため都市船は常時都市船整備員という形でメンテナンサーが張り付いている。
そこで、宇宙環境での整備に対応するため整備用具も一部更新されることになった。
外壁に貼り付けるような電磁石ブーツや、宇宙空間に流されないためのワイヤーの付きベルト。
移動用のエアーバッグや、宇宙線避けを考えた作業服なども開発されることとなる。
部品: 都市船の離水改造に伴う記録化と今後の展望
都市船の離水改造には実際都市船を飛ばす以上の目論見がある。
最も大きな所は、今後の藩国船の建造を見据えた技術開発である。
要諦は新しい技術を作るという点ではなく、技術運用という点に注目が置かれている。
これは産業育成準備(ステラ・マリス・プロジェクト)でも特記されていた安全という分野の確立という意味合いが強い。
都市船と言えば紅葉国の多くの民が生活する居住空間である。
これを改造するとなれば、充分以上の検討が行われることになる。
重力発生装置を無理に小型化しないという事や新規の技術を取り入れるよりも既存の安全性が保証されている物を利用することなども、その点を考慮した結果である。
また、ここでの開発・運用にいたるまでの過程は全て記録され、後の藩国船の建造のための重要な礎とすることになる。
部品: 離水改造計画についての当事者達のお話:当たり前のように悩んだり苦しんだりしながら対応しよう(SS)
「というか、海の一族やるぞー、じゃなかったんですか。空飛んじゃうじゃないですか」
「どっちも青いし似たようなものよ」
しれっ、と言うには、いささか圧力の高い笑顔だった。
のけぞる朝霧。顔を近づけられたわけでもないのに、何故自分は退いているんだ。
悩みが渦を巻いて頭の中でちかちかした。
ついでにくらくらして、よろけた。最近寝不足なのだった。
そこに、何かの呪文のように次々注文がお届けされる。
「で、あわせて宇宙対応する。手すり作ったり磁力ブーツ作ったり。
すると大規模に工事を発注することになるからお金も巡る。
それで、これにかこけつて福祉方面も対応する。カジノの儲け全額投入しよう」
「ああ。僕もすったなぁ」
「巻き上げたのはわたしじゃないわよ」
というかお前もやってたんかい、という目を向けられた。……。駄目だ。そらした。
へーふーんほーとわざとらしい声が響く。
その後ろの方で神室が遠い目をしていた。マユミが気付いて、微妙な笑顔を浮かべた。
「まあでも。都市船が空飛ぶなら、やっぱり歌って踊るためのステージは必要ですよね」
「なんでじゃ」
ルウシィ、キック。吹っ飛ぶ朝霧。壁に打ち付けられた。ずるずると落ちて、ぴくりともしない。
数日前に参考資料として某シリーズのDVD一式を藩王に渡されたのだった。
彼はここ数日の不足を取り戻すように眠りについた。それを無視して、ルウシィは堂々と言う。
「先に作る物があるでしょう」
作る物。全員が一瞬考え込んだ。
「女王アイドレスからキックが抜けないようにするための練習場とか」これは美弥。
「宇宙用遊園地とか」これは神室。
「カジノとか」で、これがルウシィ。
意識不明の朝霧の中では、変形して巨大メカになる都市船の姿が合った。
「あの……みなさん……」
マユミの顔がややひきつっていた。
そりゃまあ、全員が全員真剣な顔で言ってるんだからそうもなる。
「というか。誰がサービスシーンを真っ先に考えろと」
ルウシィ、月を真っ二つに割ったような半眼で全員を睨めつけた。
しかししばらくして、ぱっと笑顔を閃かせた。考えを改めたらしい。
「サービスシーンしかできてなかったら死刑と言うことで許す」
(ああ、いつものルウシィさんだ)
という事で、作業に入る。
/*/
まあ真面目な話もした。例えば最先端技術は普通は使えないとか。
何しろ運用ノウハウがないのである。
工学的には最先端技術というのは「まずそれを開発すること」が目的にあって、
それが使えるだけの物であるかどうかはまったく未知数なのである。
実際ではそれをいきなり使うことはあんまりないが、アイドレスではそれが使えるので爆発する事が多い。
この点、紅葉国の首脳部は工学系PLが集まっているので話は早かった。
そういうわけで、基本方針は「枯れた技術、かつ、やばいコトしないように」という事になった。
なので重力発生装置も無理に小型化とかはさせない事になった。
ついでに言えば、ここ最近のどたばたもあって、国民もPLも盛大に疲労している。
あんまり無茶やってもできないし、というか普通はできないのだけれど
アイドレスの場合できたという事になって無茶な設定が付与されること請け合いなので、
実際の動きは挙動は情勢を見て慎重に決める事になった。
何しろ、計画は幾つも連鎖している。
都市船改造は宇宙進出へのきっかけであり、それは藩国船の建造にもつながっている。
とすると、ただ都市船を離水改造するだけではなくて、
宇宙対応するような生活用品の生産、道路整備、家電製品の改造なども考える必要が出てくる。
またこのように生活環境が変わると、必需品も変化する。
また他国との物理的な距離によっては国々とのパワーバランス、経済的な関わり方も変わってくるから
その対応が必要になる。
紅葉国ではこれは、一時的な計画経済の実施により対応する事が検討されており
すでにプランが立ち上げられている。
他にも、この上で最近規模がでかくなりすぎているカジノの儲けを福祉に投下し
計画経済の導入や離水改造、生活変化による問題を吸収する準備がなされている。
並列して、破産者の休載として機能していたファームも
生活福祉の向上のために割り当てる事で問題の吸収率を高める方針。
しかしそうすると破産者の対応はどうするのという事になるが
ここは計画経済の導入や、福祉の圧倒的な強化による再配分で対応する目論見。
アイドレス的には、「第二孤児院(施設)」派生の「福祉充実(イベント)」の開示なども検討されている。
また、経済麻痺の影響で酸素などの供給が滞ったりした事にも対応が考えられた。
ややこしい事ではなく、今後も皆、閉鎖系で暮らす事を考えるのだから
そのあたり最低限生活に必要なものは公営にして行き渡るようにするという事になった。
このあたりは生活福祉の一環でもある。
宇宙に飛び出すだけでひどい手間である。
しかし、常識で考えて見れば、生活環境が激変するんだから当たり前である。
それを一発解決する素晴らしい方法というのは、必ずしもあるわけじゃない。
つまるところ、全部の方針をまとめると。
当たり前の苦労が当たり前のようにのしかかってくるのだから
そこはまあ、当たり前のように悩んだり苦しんだりしながら対応しよう、という事になった。
■JSON書式
[
{
"title": "紅葉国都市船・宇宙開発研究施設群",
"part_type": "group",
"children": [
{
"title": "紅葉国都市船・宇宙開発研究施設群の設置の目的",
"description": "ステラ・マリス・プロジェクトおよび都市船の離水改造と宇宙移住に関する、技術開発と開発技術試験の場として設置された。\n警備と安全対策がなされた国の管理区画に配置される。",
"part_type": "part"
},
{
"title": "施設の十分な設置面積の確保(紅葉国)",
"description": "研究開発において、技術を開発する研究棟やそれを実証する実験棟、全体の行動や業務形態を管理する管理棟など様々な必要施設がある。\n紅葉国の場合、都市船のマスターシップのうち研究用として広範囲フロア、またはスレーブシップ1隻がそのまま割り当てられる。\n規模によって拡張される。",
"part_type": "part"
},
{
"title": "国立研究開発法人による運営",
"description": "国立研究開発法人とは\n「公共上の事務等のうち、その特性に照らし、一定の自主性及び自律性を発揮しつつ、\n中長期的な視点に立って執行することが求められる科学技術に関する試験、研究又は開発に係るものを主要な業務として\n国が中長期的な期間について定める業務運営に関する目標を達成するための計画に基づき行うことにより、\n我が国における科学技術の水準の向上を通じた国民経済の健全な発展その他の公益に資するため研究開発の最大限の成果を確保することを目的とする独立行政法人\n(独立行政法人通則法第二条第三項より抜粋)」の事を言う。\n国が関与しつつ、民間と協力しての研究開発を行う。",
"part_type": "part"
},
{
"title": "研究開発における法の遵守と安全性の確保",
"description": "研究開発においては、各藩国で設定されている法の安全基準や監査を満たし、\nなおかつ事故が発生した際の対応のマニュアル化と国の承認を受けた上で実施されるとする。",
"part_type": "part"
},
{
"title": "ステラ・マリス・プロジェクト",
"part_type": "group",
"children": [
{
"title": "ステラ・マリス・プロジェクトの経緯",
"description": "「宇宙いいじゃない」との紅葉ルウシィ藩王の一言から始まった。\n22800102に共和国内の各国での産業育成プロジェクトが発足した。\n藩国での検討結果、紅葉国は長期的に宇宙開発に向けて舵を取ることになった。\n紅葉国長期宇宙産業開発育成計画=ステラ・マリス・プロジェクトと言う。\n『ステラ・マリス』とはラテン語で「海の星」を意味し、\n船乗りが嵐に遭い航路が分からなくなった時、常に北を指す星を目印に航海したことから「北極星」の事も意味する。\nつまり、厳しい状況の中、国が船である紅葉国の行末を示したものである。",
"part_type": "part"
},
{
"title": "プロジェクトの位置づけ・動機・目的・方法の説明",
"description": "紅葉国の国家プロジェクトとして扱う。\n動機:紅葉国のさらなる発展を目指して、宇宙進出を行う\n目的:宇宙進出するために必要な技術の開発。宇宙の観光資源化。\n方法:宇宙産業育成。そのための研究開発",
"part_type": "part"
},
{
"title": "紅葉国の宇宙への移住目標の理由",
"description": "何故宇宙へ移民するのかと、実はあまり理由はない。\n元々海の一族であったがために、旅を続けること、航海をするという事が、生活の一環となっているというのが本質的には正しい。\n彼らは旅をするのに理由がいらないのである。",
"part_type": "part"
},
{
"title": "ステラ・マリス・プロジェクトによる育成産業の具体的内容",
"part_type": "group",
"children": [
{
"title": "宇宙のための技術開発の必要性と内容",
"description": "紅葉国は水中の都市船で暮らしてきた。\n水中と宇宙は似た環境では有るが、宇宙用の動力や宇宙線への対応、重力装置の扱いや周囲が緊急時の対応などの宇宙特有の課題があるため技術開発研究が必要とされた。\n完全閉鎖系循環システムに関しては、海中生活である程度下地が出来ているものの、水や空気を外部から取り入れられない宇宙では更に考慮する必要があるとされた。",
"part_type": "part"
},
{
"title": "宇宙ならではの観光の企画提案",
"description": "なんかもの凄そうな宇宙ならではの観光の企画を官民問わず広く募集する。\n360度回れる水族館とか 無重力公園とか体感型立体シアター等が例に出される。\nもちろん宇宙ならではの賭博でもいい。なんか派手でうけそうな物を募集する。",
"part_type": "part"
},
{
"title": "船体構造の改善研究",
"description": "宇宙では海中や地上とはまた異なった船体構造を検討する必要がある。\n紅葉国でこれまで設計、運用されてきた物は主に海中での使用に耐えることが条件だった。\nそのため海中であれば深海でも対応可能だが、一方でその技術がそのまま宇宙で利用出来るかは不明である。\n一部は使えても、一部は使えないかもしれない。使えないとしたら、どのように対応するか。\n都市船の離水改造、新型藩国船の建造含め、宇宙に対応した船体構造の研究と開発は必須の項目である。",
"part_type": "part"
},
{
"title": "材料工学の推進",
"description": "宇宙環境での生活ともなれば宇宙線などへの対策も考える必要が出てくる。\n一般的な宇宙船では金属や複合材料の船殻が使われていたり、それらの構造材で宇宙線を防いだりといろいろな工夫がなされている。\nそこで、都市船や新型藩国船を宇宙対応させるための装甲や先に提案した船体構造の最適化と連携した材料の提案・開発が必要となってくる。",
"part_type": "part"
},
{
"title": "推進機構の開発",
"description": "移動できないと困る。\n実際の所、宇宙進出を果たした後、さらなる開拓を目指して各方面に旅立つ可能性も充分にある。\nであればこそ、藩国船や宇宙対応した都市船の推進機構の開発は必須項目となる。",
"part_type": "part"
},
{
"title": "総合的なシステム的安全性確保の研究",
"description": "様々な技術を安全に運用するため、技術倫理面からの精査を行う。\nこれは膜による赤い海の事件やクローンの事件の例からもわかるように、\n高度な技術・研究に取り組む上では避けては通れない面である。\n特に紅葉国は今後藩国船などにも取り組む準備があることから、\n技術の危険性を熟知し、その適切な運用方法を理解し、知識を広め、\n努力をもって安全をこの手にしなくてはならない。\nそこでハザード分析などの問題解析のメソッド等、リスクアセスメントの面からアプローチするシステム安全の研究を促進し、\n実際にこれから進む研究と並行してその安全性、運用による危険性を研究していく。",
"part_type": "part"
},
{
"title": "閉鎖系循環システムの構築研究",
"description": "海中とは違い、宇宙では水や空気、資源を外部から取り入れられないため、内部資源の再利用が求められる。\nまた、廃棄物に関しても少なくし、コロニーとしての負荷を減らす必要がある。\n都市船内部での生物鉱山合わせて環境を保持しつつ、海底都市から続く技術を更に発展させ、不純物の減少や、廃棄物の利用可能化項目の増加に努める。\nただし、これは国民生活を妨げない範囲とする。",
"part_type": "part",
"expanded": true
},
{
"title": "紅葉国におけるTLO技術との付き合い方",
"description": "NWではこれまでにも技術に関する様々なトラブルが見られてきた。\nその内、TLOとは「×下手な事をすれば爆発する」「○上手にやらないと爆発する」を意味すると位置づけている。\n NWの技術水準は平均して高く、下手をしないという事よりも一歩踏み込んだ取り組みが求められているのが現状である。\nそれは、よくわからないものは封印するのではなくよくわからないものであること、触れたら危険であること、そもそも触れない方がいいことという事を検討した上で\nつきあい方を考えるという方向へと進んだ。\n宇宙環境に適用するための船体構造の研究や材料工学の推進といった\n「開発上必要な事」の他にも、システム安全工学からのアプローチで高い技術・新技術を使う上での慎重な向き合い方を常に念頭に入れる形になった。",
"part_type": "part"
}
],
"expanded": true
}
],
"expanded": true
},
{
"title": "都市船の離水改造計画",
"part_type": "group",
"children": [
{
"title": "紅葉国の宇宙方面への長期展望",
"description": "都市船の離水改造を行う事は別にダイスで決めたわけでも藩王の気まぐれというわけでもない。\n宇宙怪獣が来ているからと言う理由は少しはあったが、元を正せば紅葉国の長期展望の一環だった。\n紅葉国の長期展望。宇宙での藩国船建造と移民である。",
"part_type": "part"
},
{
"title": "都市船の離水改造の検討事項とコンセプト",
"description": "都市船の離水改造に伴う検討事項は、船体構造の精査や推進機構の開発といった開発方面の取り組みだけではすまなかった。\nそもそもにして、離水改造自体、宇宙進出を見据えてのものである。\nとなれば、宇宙環境における生活や非常事態への対応といった事も考慮する必要がある。\n開発のコンセプトは安全性。\n生活に関わるため、原則すでにある程度安全性が保証されている枯れた技術を利用しようという方向性だった。",
"part_type": "part"
},
{
"title": "都市船の宇宙対応技術開発の進め方",
"description": "都市船の宇宙対応技術開発はステラ・マリス・プロジェクトにそって進められ、また継続される。\n既存技術の発展によりブラックボックス化を防ぎ、更にシステム安全工学からのアプローチも含めて進められる。",
"part_type": "part"
},
{
"title": "宇宙空間での都市船での拡張性の確保",
"description": " 紅葉国は海底都市移住以降、人口の高密度化に悩まされてきた。\n都市船はこの問題をスレーブシップを用いることで解決した。\n無論、このスレーブシップ。離水改造された都市船にも付随している。\n 都市船時点で用いられていた居住型・環境型・生産開発型・研究型の4種なのは変わらない。\nしかしながら、宇宙に出るにあたり多くのマイナーチェンジが与えられている。\n開発者曰く、都市船と同様の重力制御装置・宇宙線対策・大型ソーラーパネル+太陽帆の付与…\nその過程で大きさも数割増になってしまっているが、宇宙で製造するため問題ないとされた。 ",
"part_type": "part"
},
{
"title": "海中都市船との差異:天板機能の封印とそれによる利点",
"description": "都市船において内部の透過天板は開くようになっていたが、これはスッパリと機能を封印する事とする。\n開かなくした分、宇宙線対策や天板の精度を高める。\nまた、可動制御部にさらなる生命維持装置を増設することとした。",
"part_type": "part"
},
{
"title": "都市船大気圏離脱システム",
"description": "「全長が1.4倍、全高が1.3倍になってるんだが、大丈夫か?」\n「大丈夫だ、問題ない」\n~とある海底研究都市での会話~\n 大気圏突破用の前部装甲艦橋ユニットを取り付ける事により、\n都市船をリフティングボディになるように整形する。これにて\"揚力\"が。\n更に後部ユニットの増設及び海底研究都市での効率化したエンジンを用いた\n大出力のブースターユニットを4基増設する。これにて\"推進力\"が。\n\"揚力\"と\"推進力\"による『力業』。TLOを使わない飛行方法を目指した結果がこれである。",
"part_type": "part"
},
{
"title": "都市船内大型重力制御システム",
"part_type": "group",
"children": [
{
"title": "紅葉国の現状と大型重力制御システムの開発経緯",
"description": " 紅葉国の都市船は海中での運用が主とされている。\nそのため深海にも負けない装甲や高度な循環系を保有し、閉鎖空間での生活という意味では、\n海が宇宙に変わってもそのまま運用できる部分は多々あった。\n ただし、そのままでは不都合な点も複数在る。\n例えば重力である。長らく1G環境下で暮らしてきた紅葉国民が、これからいきなり宇宙環境に適応するというのは難しい。\n都市船内部に建造した施設も、多くが1G環境で運用することが前提とされているものであり、\n無重力下では無数の問題が発生すると考えられる。\n このため、重力発生装置を建造することがまず必要とされた。",
"part_type": "part"
},
{
"title": "都市船最下層一層全部を用いた重力発生装置と小型化の禁止",
"description": "重力発生装置は下手に小型化をすればTLOになるなどの危険性を含んでいる。\nしかし今回の場合、都市船という巨大なシステムに付与することが決定されているため、\nI=Dなどで必要とするような極度に小型化したものや、複雑な出力制御は必要としていない。\nそのため必要な機能のままに大型化し、小型化を禁止し、都市船の下部に新しいブロックをつけて、\n最下層一層をまるまる重力発生装置とする事で規模の問題は解決することになった。",
"part_type": "part"
},
{
"title": "重力制御装置故障時の安全性対応",
"description": "絶対に壊れないシステムを作ろうというのは工学的なアプローチとは言えないと早期から結論が出ている。\nシステム安全の面から考えても、システムとは堅牢性を重視する一方で、\n壊れた時に安全側に壊れるよう=被害を局限できるようにするよう設計することが大事だと言われている。\nそこでシステムはあらかじめ設計者が意図したように停止するような仕組みとし、\n都市船と同じく定期的なメンテナンス、非常時にはなるべく簡易に修理を行える前提での設計を行う事となった。",
"part_type": "part"
}
],
"expanded": true
},
{
"title": "宇宙での生活上の工夫",
"part_type": "group",
"children": [
{
"title": "地上生活と宇宙生活の違いの考慮",
"description": "地上では星の生み出す重力環境下で生活してきたが\n今後は非常時には止まるかもしれない重力発生装置がその肩代わりをすることになる。\nそれはつまり、非常時=無重力状態となった時の対応を日頃から考えた町作り・日用品作りを行うということである。",
"part_type": "part"
},
{
"title": "宇宙環境での身近な工夫",
"description": "生活の身近なところでも多数の工夫をする事になった。\n手すりの増設や、冷蔵庫等の家電製品用の突っ張り棒、固定用のマグネットなどがたくさん作られた。\n道路と靴にも電磁石が導入された。\n高い所でもめくれないスカートを開発しようとした猛者もいたらしいが、理論上不可能という事から「残念だったな」と書かれたスパッツが作られたという話もある。",
"part_type": "part"
},
{
"title": "交通手段の固定装置",
"description": "鉄道等をモノレール式に修正して車両を路線上に固定する仕組みや、\n駐車場における車両の固定装置など、交通システムにおいて浮遊しないように対策が取られている。",
"part_type": "part"
},
{
"title": "艦内情報の連絡の徹底",
"description": "都市船内で何か異常事態が発生した場合には、艦内のいたるところに配備してあるスピーカーから逐一情報が流されるとする。\n一次情報を性格に把握することで、次に何をすればよいか国民は考える余裕ができる。",
"part_type": "part"
}
],
"expanded": true
},
{
"title": "都市船外部装甲の宇宙対応",
"part_type": "group",
"children": [
{
"title": "都市船装甲の既存機能からの継承",
"description": "深海では基本的に『圧壊しないこと』『浸水しないこと』が重要なポイントだった都市船の構造だった。\n浸水しないことは空気の流出を防ぐ事と言い換えると、宇宙環境でも同じ事が言える。\nまた圧壊しないこと=耐圧性能の高さは、結果として装甲の高強度を生んだが、勿論宇宙環境でも同様に必要となる。\nスペースデブリは当然ながら、安全性の面から考えても外からつついて簡単に壊れるような物は生活環境にはしない。",
"part_type": "part"
},
{
"title": "宇宙線対応",
"description": "地球環境で生活する場合は気にしなくてもいい事だが、宇宙環境では放射線などの影響がある。\nそこで装甲には宇宙線対策を講じる必要があり、専用の装甲材の開発のためにステラ・マリス・プロジェクトで材料工学・建造工学分野が推進されてきた。\n装甲内部に空洞を作り、放射線を反射や吸収するような構造と材料を組み合わせる等、推進された技術結果を用いて実現を行う。",
"part_type": "part"
},
{
"title": "大気圏突破対応",
"description": "ステラ・マリス・プロジェクトで材料工学・建造工学分野が推進されて来ており、\nその結果からの大気圏突入時には前部増加装甲ユニットを用いることにより実現を行う。\n形を整えることにより浮力を得て、熱や気圧変化による変形に対して柔軟性を持つユニットを作成する。",
"part_type": "part"
},
{
"title": "予備装甲の配置",
"description": "急な破損に対しては隔壁などで一時対応を行うが、そのまま外壁に穴が空いたまま航行することは出来ない。\n各所に予備装甲を用意しておき、破損した場合にはその装甲をあてがい、固定し隙間を埋めることで気密性の確保の応急措置を行う。",
"part_type": "part"
}
],
"expanded": true
},
{
"title": "都市船の宇宙用追加機能",
"part_type": "group",
"children": [
{
"title": "都市船スラスターユニット",
"description": "「スラスターユニット」を本体両サイドを取り付ける。\n文字通り、左右上下への方向転換を司る。\n定位置にデブリ用の防空迎撃システムおよび航宙デフレクターシールドが付随しており、\n管制塔の指示により細かなデブリを除去する事が出来る。",
"part_type": "part"
},
{
"title": "航宙デフレクターシールド",
"description": "宇宙の塵などから船体を守るために利用されることを想定とした小型シールド発生装置。\n艦の前方に重力子フィールドを発生させることにより、デブリの進路を変更させ船体への衝突を防ぐ事を想定している。",
"part_type": "part"
},
{
"title": "前部装甲艦橋ユニット",
"description": "大気圏突破のために装甲が分厚くなっているが、それだけではない。\n宇宙専用のパッシヴ・アクティブセンサーや太陽帆、大規模デブリ破砕用パルスレーザー等様々な物を搭載している。\n また、下部にドックモジュールを搭載。宇宙船舶はもちろん、資材があればスレーブシップや更に大きい艦船等を建造できる設備や工具、展開ユニットを用意してある。",
"part_type": "part"
},
{
"title": "宇宙港ポートシステム対応",
"description": "都市船はもともと潜水艦に対応するために三次元的な港を保持しているが、区画の気密操作については万全ではなかったため、これに対応した。\nそれぞれドッキングシステムとして、人と物に対して安全な移動経路を確保する。",
"part_type": "part"
},
{
"title": "インパルスドライブエンジン開発",
"description": "重水素を用いた核融合エネルギーにより、高エネルギープラズマを噴射することで推進力を得るエンジンの研究を行っている。\n加速光速以下で安定航行出来るものを想定し開発する。\n",
"part_type": "part"
},
{
"title": "宇宙遮蔽装置技術研究開発",
"description": "ステルス技術の一種で、光学的電子的なセンサーに有効。\n船体の周りに重力場を発生させて空間を歪めて、光や電磁波などを透過させるという技術を研究している。\nただし、エネルギー消費が激しく、内部からも観測不可や物理的干渉不可になる事が判明している。",
"part_type": "part",
"expanded": true
}
],
"expanded": true
},
{
"title": "宇宙用整備マニュアルと装備の整備",
"description": "都市船は、日頃からのメンテナンスを前提とした設計がされている。\nこのため都市船は常時都市船整備員という形でメンテナンサーが張り付いている。\nそこで、宇宙環境での整備に対応するため整備用具も一部更新されることになった。\n外壁に貼り付けるような電磁石ブーツや、宇宙空間に流されないためのワイヤーの付きベルト。\n移動用のエアーバッグや、宇宙線避けを考えた作業服なども開発されることとなる。 ",
"part_type": "part"
},
{
"title": "都市船の離水改造に伴う記録化と今後の展望",
"description": " 都市船の離水改造には実際都市船を飛ばす以上の目論見がある。\n最も大きな所は、今後の藩国船の建造を見据えた技術開発である。\n要諦は新しい技術を作るという点ではなく、技術運用という点に注目が置かれている。\nこれは産業育成準備(ステラ・マリス・プロジェクト)でも特記されていた安全という分野の確立という意味合いが強い。\n 都市船と言えば紅葉国の多くの民が生活する居住空間である。\nこれを改造するとなれば、充分以上の検討が行われることになる。\n重力発生装置を無理に小型化しないという事や新規の技術を取り入れるよりも既存の安全性が保証されている物を利用することなども、その点を考慮した結果である。\nまた、ここでの開発・運用にいたるまでの過程は全て記録され、後の藩国船の建造のための重要な礎とすることになる。",
"part_type": "part"
},
{
"title": "離水改造計画についての当事者達のお話:当たり前のように悩んだり苦しんだりしながら対応しよう(SS)",
"description": "「というか、海の一族やるぞー、じゃなかったんですか。空飛んじゃうじゃないですか」\n「どっちも青いし似たようなものよ」\n\nしれっ、と言うには、いささか圧力の高い笑顔だった。\nのけぞる朝霧。顔を近づけられたわけでもないのに、何故自分は退いているんだ。\n悩みが渦を巻いて頭の中でちかちかした。\nついでにくらくらして、よろけた。最近寝不足なのだった。\nそこに、何かの呪文のように次々注文がお届けされる。\n\n「で、あわせて宇宙対応する。手すり作ったり磁力ブーツ作ったり。\nすると大規模に工事を発注することになるからお金も巡る。\nそれで、これにかこけつて福祉方面も対応する。カジノの儲け全額投入しよう」\n「ああ。僕もすったなぁ」\n「巻き上げたのはわたしじゃないわよ」\n\nというかお前もやってたんかい、という目を向けられた。……。駄目だ。そらした。\nへーふーんほーとわざとらしい声が響く。\nその後ろの方で神室が遠い目をしていた。マユミが気付いて、微妙な笑顔を浮かべた。\n\n「まあでも。都市船が空飛ぶなら、やっぱり歌って踊るためのステージは必要ですよね」\n「なんでじゃ」\nルウシィ、キック。吹っ飛ぶ朝霧。壁に打ち付けられた。ずるずると落ちて、ぴくりともしない。\n数日前に参考資料として某シリーズのDVD一式を藩王に渡されたのだった。\n彼はここ数日の不足を取り戻すように眠りについた。それを無視して、ルウシィは堂々と言う。\n「先に作る物があるでしょう」\n\n作る物。全員が一瞬考え込んだ。\n\n「女王アイドレスからキックが抜けないようにするための練習場とか」これは美弥。\n「宇宙用遊園地とか」これは神室。\n「カジノとか」で、これがルウシィ。\n意識不明の朝霧の中では、変形して巨大メカになる都市船の姿が合った。\n\n「あの……みなさん……」\nマユミの顔がややひきつっていた。\nそりゃまあ、全員が全員真剣な顔で言ってるんだからそうもなる。\n\n「というか。誰がサービスシーンを真っ先に考えろと」\nルウシィ、月を真っ二つに割ったような半眼で全員を睨めつけた。\nしかししばらくして、ぱっと笑顔を閃かせた。考えを改めたらしい。\n「サービスシーンしかできてなかったら死刑と言うことで許す」\n(ああ、いつものルウシィさんだ)\n\nという事で、作業に入る。\n\n/*/\n\nまあ真面目な話もした。例えば最先端技術は普通は使えないとか。\n何しろ運用ノウハウがないのである。\n工学的には最先端技術というのは「まずそれを開発すること」が目的にあって、\nそれが使えるだけの物であるかどうかはまったく未知数なのである。\n実際ではそれをいきなり使うことはあんまりないが、アイドレスではそれが使えるので爆発する事が多い。\n\nこの点、紅葉国の首脳部は工学系PLが集まっているので話は早かった。\nそういうわけで、基本方針は「枯れた技術、かつ、やばいコトしないように」という事になった。\nなので重力発生装置も無理に小型化とかはさせない事になった。\n\nついでに言えば、ここ最近のどたばたもあって、国民もPLも盛大に疲労している。\nあんまり無茶やってもできないし、というか普通はできないのだけれど\nアイドレスの場合できたという事になって無茶な設定が付与されること請け合いなので、\n実際の動きは挙動は情勢を見て慎重に決める事になった。\n\n何しろ、計画は幾つも連鎖している。\n\n都市船改造は宇宙進出へのきっかけであり、それは藩国船の建造にもつながっている。\nとすると、ただ都市船を離水改造するだけではなくて、\n宇宙対応するような生活用品の生産、道路整備、家電製品の改造なども考える必要が出てくる。\nまたこのように生活環境が変わると、必需品も変化する。\nまた他国との物理的な距離によっては国々とのパワーバランス、経済的な関わり方も変わってくるから\nその対応が必要になる。\n紅葉国ではこれは、一時的な計画経済の実施により対応する事が検討されており\nすでにプランが立ち上げられている。\n他にも、この上で最近規模がでかくなりすぎているカジノの儲けを福祉に投下し\n計画経済の導入や離水改造、生活変化による問題を吸収する準備がなされている。\n並列して、破産者の休載として機能していたファームも\n生活福祉の向上のために割り当てる事で問題の吸収率を高める方針。\nしかしそうすると破産者の対応はどうするのという事になるが\nここは計画経済の導入や、福祉の圧倒的な強化による再配分で対応する目論見。\nアイドレス的には、「第二孤児院(施設)」派生の「福祉充実(イベント)」の開示なども検討されている。\n\nまた、経済麻痺の影響で酸素などの供給が滞ったりした事にも対応が考えられた。\nややこしい事ではなく、今後も皆、閉鎖系で暮らす事を考えるのだから\nそのあたり最低限生活に必要なものは公営にして行き渡るようにするという事になった。\nこのあたりは生活福祉の一環でもある。\n\n宇宙に飛び出すだけでひどい手間である。\nしかし、常識で考えて見れば、生活環境が激変するんだから当たり前である。\nそれを一発解決する素晴らしい方法というのは、必ずしもあるわけじゃない。\n\nつまるところ、全部の方針をまとめると。\n当たり前の苦労が当たり前のようにのしかかってくるのだから\nそこはまあ、当たり前のように悩んだり苦しんだりしながら対応しよう、という事になった。",
"part_type": "part"
}
],
"expanded": true
}
],
"expanded": true
}
]