重力制御施設(T22)

目標評価12!(RD129)

■ニュートン法による重力軽減理論(RD4)

惑星の万有引力による重量

惑星上のすべての物体にはその惑星自体の質量による万有引力がかかっている。

このため、その惑星から離れるためには質量差によるエネルギーを越えなければ、飛翔や離陸することが出来ない。

物体の亜光速移動とみなし質量の増加

ニュートン力学により、速度は質量と投入されたエネルギーによって変化する。

が、重力に囚われているうちは光速を超えることが出来ないとされている。

そのため、光速に近い亜光速で運動させるほどのエネルギーを投入することにより、みなしの質量が増加されるとされる

惑星重力の打ち消し

亜光速移動させている物体を重力軽減させたい物体の頭上に配置する。

エネルギーを投入すればするほど見かけの質量が増大し、万有引力がその亜光速移動する物体に発生する。

重力軽減させたい物体は惑星の重力に加えて、亜光速移動する物体に対しても万有引力で引かれるため、結果として重量が軽減される。

莫大なエネルギーの消費

巨大な重力を打ち消すには、打ち消すだけの万有引力を持つ見かけ上の質量が必要になる。

その質量を得るためには、莫大なエネルギーを投入する必要がある。

■重力制御機構の施設(RD13)

部品: 頭上に位置する施設

部品: 円盤・円柱状の建築物

部品: 内部の電磁誘導超合金金属球体

部品: 真空化された内部

部品: リニアレール加速装置

部品: ローンチ・リングチューブレーン

部品: 重力制御施設内オペレートルーム

部品: エネルギー経路直結による電源供給

部品: 放射能・対爆遮断材壁

部品: 大型冷却用水冷液循環配管

部品: 耐震構造

部品: 太い支柱

部品: 緊急停止装置の配置

頭上に位置する施設

重力軽減させる必要のある艦船や施設の頭上に設置する。また、位置を固定する必要がある。

万有引力により重力を打ち消すためである。

円盤・円柱状の建築物

亜光速まで加速することで物体の見かけ上の質量は増加してくが、

直線運動の場合は設置面積が足りなくなってしまう。

そのため、円運動により加速を行うため、円盤状・円柱状の建造物となる。

内部の電磁誘導超合金金属球体

回転させる巨大な球状の超合金金属で出来た球体物質がおさめられている。

可能な限りの電磁耐久性と耐熱性を高めた素材で作られており、表面に関してもミクロ単位で滑らかに加工されている。

真空化された内部

内部は空気摩擦や抵抗を防ぐために真空となっている。

また、外圧に耐えるために格子状に梁が張られている。

リニアレール加速装置

電磁誘導によるローレンツ力により、断続的にエネルギーを与えて加速度を得るようにする。

円周に沿うように幾重にも重なり配置される。

ローンチ・リングチューブレーン

同じく超合金素材にてでリングチューブ状にレーンが配置されている。

半径百mが必要となり、大規模な配置場所が必要である。

重力制御施設内オペレートルーム

内部の状況を監視するおーぺレートルームが別に併設されている。

重力環境及び装置に異常がないか、常にチェックする。

エネルギー経路直結による電源供給

物体を超加速させるための電源を安定的に大容量供給する必要がある。

発電所数台を連結させて変電所を通して供給する。

放射能・対爆遮断材壁

建築物を構築する建材は、すべて放射能を軽減するもので作られている。

また、内部・外部からの爆発にある程度耐えるように粘り強い建材でもある。

大型冷却用水冷液循環配管

内部は真空構造であるため、冷却液が内部を循環するように配管されている。

発生した熱は電力の再供給など他用途に使われる。

耐震構造

極力振動を抑えるように真円で半径を大きく設定しているが、それでも高速移動物質を支えるために振動は出てしまう。

それを許容するだけの耐震構造となっている。

太い支柱

巨大施設モジュールとなるが、頭上に配備するために上へ上へと伸ばさねばならない。

そのため、支える接続部位に関しては十分な太さと強度を備えた円柱型の構造物である必要がある。

緊急停止装置の配置

異常事態が発生した場合に備えて、一括で電源供給をカットし、かつ不燃気体を充填させることにより事故を防ぐ機構を備えている。

■重力制御シーケンス(RD13)

部品: 施設設備チェック

部品: エネルギー負荷チェック

部品: 施設責任者の許可

部品: 作業員退避・施設内真空化

部品: 作業員・搭乗員の身体や家具の固定

部品: 鳴り響くアラームと稼働開始

部品: エネルギー供給の開始

部品: 回転物質の亜光速到達

部品: 重力軽減対象の動作(飛翔・機動)

部品: 目的達成後の段階的な重力制御軽減

部品: エネルギー回路の遮断処理

部品: 重力制御終了通知と後片付け

部品: 終了時メンテナンスの実施

施設設備チェック

施設が正常に稼働するかのチェックを整備員が綿密にチェックを行う。

これは定期的に実施され、マニュアル化されている。

エネルギー負荷チェック

エネルギーの安全・安定供給に加えて長時間に耐えられるような配管が正しく維持されているかを確認する。

逐次整備員が確認する。

施設責任者の許可

艦船設置なら艦長、藩国設置なら藩王の許可が重力制御装置の稼働に必要である。

設置された場所の大量のエネルギーを必要とするためで、主にエネルギー管制のためである。

作業員退避・施設内真空化

整備以外のときには施設内は真空下され保持されている。

作業員は退避しており、別のオペレートルームで作業を行うことになる。

作業員・搭乗員の身体や家具の固定

重力制御装置動作中は、対象全体に対して重力操作が行われることになる。

艦内に居る人員も同様であり、身体の固定や準備をする必要がある。

鳴り響くアラームと稼働開始

稼働開始を示すアラームが鳴り響き、オペレータ達が配置につく。

エネルギー経路の確認と、質量の観測、及び各種耐久のチェックを開始する。

エネルギー供給の開始

動力源と専用変電所の接続を行う。

動力源はフル稼働を行い、加速装置に一定の電力を供給して物体を加速させていく。

回転物質の亜光速到達

超加速された回転物質の見かけの質量が一定を超え、万有引力として重力を軽減・打ち消せるところになった時点で

等速運動を行うようにさらに持続制御を続ける。

重力軽減対象の動作(飛翔・機動)

重力が制御装置によって打ち消されて実質軽くなった対象が、独自の他の推進力を用いて飛翔や移動を行う。

重力以上にエネルギーを供給し、回転物質の万有引力の方が強くなった場合にはそのまま自動的に浮くこととなる。

目的達成後の段階的な重力制御軽減

大気圏突破や着陸等の目的を達成した後は、重力制御を段階的に小さくしていく。

逆のローレンツ力をかけて、回転物質の速度を落とし万有引力を弱めるのである。

エネルギー回路の遮断処理

完全に静止した後、エネルギー回路の遮断を行い、経路に関しても接続を解除する。

安全確認のため解除後、3時間は監視を継続する。

重力制御終了通知と後片付け

艦内にいる人員に対して重力制御終了を通知して、固定した物資や身体を解放する許可を通知する。

エネルギーの通常使用可能に関しても許可を行う。また、後片付けを行う。

終了時メンテナンスの実施

緊急的な使用の可能性もあるため、終了時にかならずメンテナンスとレールの交換を行う。

必ず全部品を新規に交換するとする。

■工場における製造実験(RD10)

製造実験が必要な理由

これまでは重力制御の研究段階として、いくつもの同型物を生産する必要はなかった。

しかし、実用段階になると部品の製造、組み上げなどの多くの過程について何度も同じ物を作成できるのか確認の必要がある。

製造実験は、紅葉国の宇宙進出における重要な一歩となるのだ。

紅葉国国有技術開発製造工場において製造

T21において、紅葉国は艦船・施設用ニュートン法重力制御機構の試作型を生産して、実用に問題ないレベルの生産が可能か実験を行った。

製造工程の確認

重力制御まわりの部品は、今後も改良を繰り返しながら作り続けることとなる。

製造工程は今のままでいいのか、常に確認する必要がある。

人の手が必要な工程の割り出し

現状、または将来も含めて人の手がどうしても必要な部分がないか割り出しておく必要がある。

細かな調整など、まだ改良の余地がある部分は特にチェック対象とする。

製造実験における品質検査

製造実験は、製造するだけで終わるわけではない。製造直後の品質検査も、本番と同様の厳しい内容で行われる。

均質チェック

ある装置が他のものに比べて質が低い問題が発生したら、即その原因を確かめて質の向上を目指さなければならない。

同様に、ひとつだけ質が高いのも問題となる。こちらは全体を高められないか研究対象となる。

全ての部品が品質検査対象

少なくともT21においては、製造された全てが部品単位で品質検査対象となる。

製造工場でのチェックだけでなく、一部は研究所へと運ばれて見落とされた問題がないか、品質検査で全てがチェックできているか改めて確認が行われる。

研究所へのフィードバック

製造実験での結果は、政府での保管以外に研究所へのフィードバックが行われる。

製造工場とは今後も密にやりとりを繰り返し、よりよい装置を確実に作る土台をなす。

製造実験における機密保持

重力制御機構そのものは当然機密事項だらけであるが、品質検査基準、管理場所など細かい機密事項は多い。

今後も政府が認めた国有製造工場で製造される予定のため、関係者は機密保持にも注意を配る必要がある。

T21の製造実験における課題

直接的な製造の問題ではないが、出来上がった重力制御機構全体を動かして検査するのは工場では難しい。

この検査をどうやって組み込むのかが、最も大きな課題となった。