移民受け入れに関する藩国方針表明
現在の状況を鑑みればある意味必然ではありますが、紅葉国に移民が殺到しています。
第一に紅葉国としては基本的に移民受け入れを拒絶する意志はありません。
が、紅葉国はほぼ全てが人の手で作られた人工の生活環境です。大地も植生も全て人が設計し配置した物です。
NWに降り立ち長い時間が過ぎているため他国から来られる方にはこの事実は理解しにくいかもしれませんが、これは自然の大地に比べ遙かに小さい許容量しか持ちません。
さらに生存環境を持ち出すこのシステムの許容量を超えることは居住する人間全員の死を意味します。
つまり人工都市が許容量を超えた人間を受け入れるのは不可能なのです。
海底都市が許容量オーバーで全滅しなかったのは単純にテラの海底に居住することを前提にしていたからに過ぎません。
そこで私は私の権限と責任において移民の受け入れを許容量内に制限します。
制限の方法はダイスを使った先着順の抽選とします。要はギャンブルです。
誰もが個々の事情、人格を尊重されるべきである故にそれらを考慮することはできません。
純粋に紅葉国らしく運で決めます。
とはいえ、完全に運だけで決められても困る人も居るでしょう。
例えば生活能力を持たない子供たちなどです。
無論移民として受け入れれば紅葉国は責任を持って育てますが子供だけダイス運が悪かった日には目も当てられません。
そこで、未成年の子供を抱える家族は家族単位でダイス判定を行う事とします。
では、抽選から外れた人はどうすればいいのでしょう?
もちろん、抽選を決定したのは私ですから私を恨んでもかまいません。
ですが、それ以上にお願いしたいことがあります。
先の受け入れを抽選にしなければならない根本的な理由。それは私、あるいは紅葉国単独での限界です。
紅葉国一国で共和国を支えるというのがそもそも無理な話なのです。
皆さんの故国には様々な技術があり、知識を持った人がいます。それらどれ一つとして紅葉国に劣るものではありません。
逆を言えば紅葉国一国でもこれだけの規模で救う方法を提示できるのです。
さらに今このときもより多くの人々を許容できるよう都市船の大規模造船計画が進んでいます。
無論、この造船計画でも全ての人々が救えるとはお約束できません。
全ての人々を救うには共和国、ひいてはNW全ての力を結集する必要があります。
ですから、移民を受け入れられた方も受け入れられなかった方もこの状況を切り抜けるためにそれぞれが出来ることを行っていただけるようお願いいたします。
紅葉国藩王 紅葉ルウシィ